口腔内と心の関係性について
今回は口腔内の状態悪化と心(メンタルヘルス)の関係についてです。
一見無関係に感じられる口腔内状態と心の関係ですが、結構関係があるんです。
心(メンタルヘルス)から口腔内への影響は、心が痛んでしまい脳がストレスを感知し続けてしまうと自律神経の交感神経が優位になってしまい、唾液の分泌量が減少してしまいます。その歯や歯茎部を外部からの攻撃(細菌、バクテリア)から防御するという役割も担っているその唾液の分泌が減少することで防御機能が低下してしまいます。また心にストレスを感じることで無意識に歯ぎしりが増えたり、噛みしめが強くなってしまうことにより歯や歯茎部への負担が大きくなることで口腔内状態を悪化させてしまうこともあります。
次に口腔内の状態悪化から心(メンタルヘルス)に与える影響です。
(口腔内状態悪化とは虫歯があったり、歯並びが悪かったり、着色汚れがあったり、歯を失ったり、口臭が気になりすぎたりしている状態のことです。)
痛む歯があったり、歯が1本ないだけで食べたいものを食べづらかったり、睡眠の質が下がってしまったり、歯並びや着色汚れがあることで一度誰かに心無い言葉を投げかけられてしまうとそれがトラウマになってしまったり、自分自身への自信が無くなってしまったりします。
口腔内に問題がある状態が長く続いてしまっていて上記の問題から、無意識なうちに外出しなくなったり、友だちに会わなくなってしまい気づくと生活する上での自由を奪われて、日々過ごす中での喜びを感じる機会を失ってしまい、抑うつ状態に陥ってしまうこともあります。
実際の研究結果でも歯の本数と閉じこもりの関係性について研究が行われました。結果はご想像のとおり残存歯数が少ないほど閉じこもりになりやすいということでした。
加えてこれから本格的に迎える「人生100年時代」現役時代に一生懸命働き、子供も独り立ちしてこれから自分自身の為に時間やお金を使い余生を楽しもうとしている時に、口腔内の状態が良い、悪いでその後の生活の質(QOL)が大きく変わってしまう可能性が高いのです。
逆に歯並びや着色が気になっていた人が矯正やホワイトニングを受けることで自信を取り戻し、大きな声で話せて、思い切り笑うことが出来ることで友だちが増えたり、前向きに人と話せるようになったり、積極的に面接を受けることができるようになったりと人生が好転することも少なくありません。
以上のことから口腔内の状態と心には相関性があります。どちらも同時にケアする必要があります。
長い人生ずっと当たり前の生活を当たり前に過ごしていくために、口腔内の違和感があったら即歯科医師に相談していただき問題を早期に解決しましょう。現状問題がない方もその後口腔内に異常が出ないように症状がなくても定期的に口腔内をチェックしてもらい、歯のプロフェッショナルケアを受けるようにしましょう。
「未来の自分のために今の自分が出来ることを」