デンタルガムについて
ガムと言えば、メジャーリーガーをはじめ様々なジャンルのスポーツ選手がガムを噛んで試合に挑んでいる姿をテレビ中継や動画で目にする機会があります。実際「噛む」という行為はストレスを軽減させて、無駄に体に力が入ってしまうことを防ぎ、緊張を和らげる働きが期待できるといわれています。そのようなメリットも相まってガムを噛む機会が多い方々もいらっしゃると思います。
そこでどうせ噛むなら歯に良いガムをと思い立ちますが、歯に良いガム(デンタルガム)と言えば、キシリトール配合のガムをイメージが強いかもしれませんね。当然通常のガムと比較してキシリトール配合のガムは歯に良いわけですが、ココ歯科では今回なぜ歯に良いのか?どのように良いのか?どこまで期待して良いのか?やキシリトール以外の成分についてなど説明させていただき、過度な間違った期待を是正して、正しい理解のもと正しい活用をしていただければなと思っています。
どういった点で他ガムと比べ、キシリトール配合ガムは優れているのか?
通常虫歯菌は糖をエサにして、歯を溶かす酸をつくってしまいます。よくデンタルガムに配合されているキシリトールは白樺などを原料としてつくられる甘味料で、虫歯菌のエサになります。ここまでは他甘味料と同じですが、ここから先が重要!!キシリトールは、虫歯菌のエサになっても酸がほとんど作られないのです。
➡結果虫歯菌の成長や増殖を抑制することで虫歯のリスクを低減できるのです
「虫歯菌の増殖を防ぐが、減らしはしない」
【注意点】
上記のとおり、虫歯の抑制にはなりますが、虫歯菌を除去するわけではない点です。もしデンタルガムを噛んでいる時点で虫歯菌がすでに口内にいる場合はいくらデンタルガムを噛んだところで日頃のセルフケア(歯磨き、歯間ブラシ、フロスなど)を怠ってしまうことで通常飲食後の食べカスをエサに虫歯菌が増殖してしまい当然虫歯になってしまうということです。
■■■歯に良いガム(デンタルガム)に使われるキシリトール以外の成分■■■
CPP-ACP
CPPは牛乳※を由来とする成分。口内にいる虫歯菌が作り出す酸によって歯のエナメル質の内側からミネラルが溶け出し、歯の表面が弱くなってしまう「脱灰」を抑えながら、脱灰により溶け出したミネラルをとりもどす再石灰化を促進させることで酸への耐久性を高めます。
※牛乳アレルギーの方は注意が必要
POs-Ca
じゃがいものでんぷんから調整されたリン酸化オリゴ糖にカルシウムを付加したもの。初期虫※歯対策に有効で歯に浸透しやすい。そのカルシウム成分により初期虫歯を再結晶化して丈夫な歯にします。
※初期むし歯は、歯の表面に穴があく一歩手前の状態をさします
【まとめ】
キシリトール配合のガムをはじめ、その他デンタルガムで配合されている成分についての効能を中心にまとめましたが、どの成分も虫歯菌を除去、退治する効果はない点が重要です。
あくまでデンタルガムを噛む事自体がセルフケアではありません。きちんと日頃のセルフケアを行い定期検診を受けていただくことが大前提で、ガムを噛みたい時、何か口に入れたい時、セルフケアはしているけれど歯の調子が悪いと感じる時などにはせっかくであれば、デンタルガムを選んで噛んでいただくと他のガムや飴などでは間違いなく悪化していたものが、それ以上の悪化を防ぐことができる可能性が高いということです。CPP‐ACPやPOs-Ca配合ガムについては歯科専売品として流通している場合が多いため、定期検診に行かれている方はその際に、現状違和感を感じている方は早期に歯科医院を受診していただいた際に歯科医師に自分の歯の状態にあったデンタルガムについて是非ご相談ください。